放射線検出装置 スクラップモニター 
Radioactive Isotope Monitor


株式会社サイバーテック
問い合わせ先:03-3662-1600
■■製品紹介■■
 スクラップモニターは、金属スクラップ中に紛れ込んだγ線を放射している線源を検知する為の装置です。自己開発商品なので設置場所や用途にあわせたオプションの追加、カスタマイズに対応できます。唯一の国内製品であり全国規模の万全のサービス体制も整っていますのでスピーディーな対応が可能です。
スクラップモニターは、当社が自信を持っておすすめする製品です。
■はじめに■

 金属材料として最も使用料の多い鉄鋼のリサイクルの過程において放射性物質の混入が大きな社会問題を引き起こそうとしています。日本の鉄鋼備蓄量は10億トン(1990年)を越え、これらから発生する老廃スクラップが2700万トン、加工並びに自家発生スクラップがそれぞれ600万トン、1000万トンとすると合わせて4300万トンとなり粗鋼生産量の50%近くに達しています。これらの鉄スクラップは今後とも増え続けると考えられます。これらに対応する為には電炉生産比率のさらなる向上、転炉での鉄くず配合率の上昇をはからねばなりません。一方、鉄スクラップ自体の国際的な移動はますます活発になり日本でも1992年には輸出が輸入を上回るようになってきました。この様に鉄くずの国際的な流通が増加するにつれて放射性物質が鉄くずに混入したまま取引される可能性が高まっており、1992年台湾の台北市で発見された民政マンションの放射能汚染事件は日本でもテレビ、新聞などマスコミで取り上げられました。この事件後、台湾のスクラップ関連施設119ヶ所に放射線検知器が設置され1995年には、鉛の防護容器に収められたセシウム137が溶解前に発見されています。

 
一方、日本においてはここ数ヶ月間に発見が相次いでいます。
当社は平成11年、神戸製鋼加古川製鉄所に2台のスクラップモニターを設置しました。その装置が2000年5月8日、搬入のためトラックにつまれたスクラップの中から鉛防護容器に入った放射性物質を同製鉄所で発見しました。
国内においては放射性物質が溶け、製品に混入した汚染事故の報告はありませんが、見つけても報告義務、あるいは処置に関する法律がありません。また、放射線検出装置が導入されだしてからまだ日が浅く、また導入された装置すべてが海外の製品であり、日本の夏冬における大きな気温変化、梅雨時の高湿度、風雨に対応できず故障が発生しています。これらに対するメンテナンス体制も整っておらず装置の稼働率、信頼性の低下となっているのが現状です。一方、装置の放射能検知能力についても高性能とは言い難く、ソフト、ハード共に客先に対する柔軟性が全くないと言っても過言ではありません。例えば耐火レンガ、副原料等から放出される放射線とRedioactive Isotope (R.I)との区別がつかない、あるいは検出結果の単位μSv/hで表示できない等々、これら現在導入されている客先の不満、あるいは、これから導入を考えている客先よりのご要望を取り入れ原子力関連施設で培った放射能計測技術のノウハウを全てつぎ込んだ高性能、高安定、長寿命、低価格の「スクラップ・モニター」を開発、販売しております。

■■製品概要■■
 本装置は、金属スクラップ中に紛れ込んだγ線を放射している線源を感知する為のモニターで通常トラック秤量器の入り側に設置し、トラックにより運搬されてくるスクラップを停止させること無く検出することができます。検出器には他社に比べて大面積の検出器(700mm×700mm)4面と、それぞれに2本の低雑音光電子増倍管を組み合わせ、γ線を効率よく検出することができ、検出された信号は高性能専用計測部に取り込まれ、長年培われてきた放射能計測ソフトウェアにより、高感度でありながら誤検出の少ない装置となっています。
 なお、本装置は重要部分を含めてすべて国産部品を、国内調達部品にて構成されており、お客様のご要望に対しまして、海外のメーカーには絶対できない迅速なメンテナンス対応が可能となっております。

 ■ … 放射能検出器 2,000mm×1,100mm×200mm
 
 … 車両検出器


 トラックの荷台の積荷から放射線が検出されると警報が作動してお知らせします。検出結果は、画面表示されるので詳細な情報を確認できます。またその内容をプリントアウトすることも可能です。

■■画面表示例■■

 積み荷の中の放射性物質の場所を表示

放射性物質が積み荷のどの位置にあるのかを検出数値をもとに特定、表示します。高感度の検出器を用いた微細な検知内容が可能にした機能です。すばやく、的確な対処をすることができます。

 放射能の数値を表示

検出された放射線の数値を表示します。シーベルト、ベクレルの切替が可能です。

■基本仕様■

項目
仕様
装置型式
TDR-36D
測定方法
プラスチックシンチレータと光電子増倍管によるγ(ガンマ)線検出
検出能力
(1)10μCi(3.7×105Bq)のCs137を2mの距離で検出可能

(2)100μ600Co(3.7×106Bq)を保護容器に入れ、トラックの荷台中央に置き、その上にスクラップ(カサ密度600〜760kg/m3程度)を積載して時速8kmで検出部を通過した時、検出可能

概略寸法
(1)検出器
 シンチレータ有効面積:3,600平方cm×2面×2
 外形寸法:1,100mm(W)×2,000mm(H)×200mm(D)

(2)制御装置
 別途システム構成による

使用電源
AC100V〜200V 50/60Hz 250W以内
車両速度
8km/h以上で速度警報作動(任意設定)
制御装置外部入出力
(1)制御入力 「警報リセット」

(2)表示出力 「速度警報」「放射能検出」「測定中」「測定完了」「運転可」

(3)通信回線 1回線 電送距離約1km

その他の機能 3ヶ月間のデータを保持。Excelにて読み出し可能。
「DANGER」、「HI」、「LOW」、「微少」の4レベルで検知。
電源バックアップ機能。
※仕様及び寸法、構成は改良のため予告なく変更する場合があります。

 

■製品関連情報■

『鉄リサイクル工業会が放射線源の混入実験』

 日本保健物理学会様と日本鉄リサイクル工業会様が、当社製品を用いて「放射線源のスクラップ混入実験」を行いました。

『産業振興 放射能汚染スクラップの混入防止 全ヤードに検知装置』

 当社製品をご購入いただいた、産業振興様の事業内容と設置に至る経緯が紹介されました。

(鉄鋼新聞、2001年02月07日)


『回収容器から放射線』(読売新聞、2000年05月10日)

当社製品によって発見! 当社が設置したスクラップモニターによって2000年5月8日、兵庫県加古川市の神戸製鋼加古川製鉄所において鉛製防護容器で遮へいされた放射性物質を発見しました。国内で集められた金属くずの中から放射線源が見つかった初めてのケースでした。
神戸製鋼所では日本鉄鋼連盟が1998年に作成した、国内の鉄鋼業界に放射線検知器の導入を促す手引書に従って検知器を設置していました。
あわせて、医療機関などで放射性物質の紛失事故は、1999年2件、1998年3件、過去10年間で20件の報告があることを科学技術庁が明らかにしたことが報じられました。

(読売新聞、2000年05月10日)

 関連情報

『放射能汚染を検査 スクラップモニター装置』

 当社がスクラップが放射能に汚染されていないかを検査するスクラップモニター装置を開発、発売したことが報道されました。当時、ゲート型の放射性物質検出装置のメーカーは、他に米国とドイツにある二社しかなく、国内での製品化は初めてでした。
スクラップの国際流通が増加傾向にあるため、国内鉄鋼メーカーの間でも、事前検査へのニーズが高まっていることがあわせて報じられました。

(日刊工業新聞、1998年09月08日)

■そのほかスクラップへの放射性物質混入に関する報道資料■

『金属廃材にプルトニウム 混入したまま溶解 英国』

 2000年3月31日、英国シェフィールド市において、プルトニウムが誤って混入された金属スクラップが溶解されていたことが報じられました。金属スクラップへのプルトニウム混入が報告されたのは世界で始めてでした。混入経路は不明とのことです。

(毎日新聞、2000年06月10日)

『コンテナから弱放射線 比から輸入の金属廃材 和歌山の製鉄所』

 住友金属工業和歌山製鉄所(和歌山市)においてフィリピンからのステンレス廃材の輸入コンテナから放射性物質が発見されたことが報道されました。

(朝日新聞、2000年04月29日)

『台湾 汚染マンション』

 1992年、台湾においてマンションの建材として使用された鉄骨に放射性物質が混入しており、入居した市民が多数被爆した事件。現在のところ原因として原発施設の解体資材が溶鉱炉に混入したものと考えられています。


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